はじめまして。ムタです。
このブログは、摂食障害を克服した私が過去を振り返って、改めて摂食障害と向き合ってみようと思い始めたものです。
まさか自分が摂食障害になるなんて、これっぽっちも思っていなかった。
なのになぜ?
なぜ私は摂食障害になったんだろう?
なんのために?
ずっとそんなことを考えながら、摂食障害と戦っていました。
摂食障害になったキッカケ
私は2度、結婚して離婚しています。
摂食障害が始まったのは1度目の結婚生活の時。
旦那さんと、その家族と同居。
とても優しく、よくしてもらえたけど、やっぱり他人は他人。
いい嫁に思われるように、迷惑をかけないように、無意識に気を遣っていたのでしょう。
あれは、12月25日。
寒いクリスマスの夜、あったか~いお鍋を囲んでいた時のこと。
お義父さんとお義母さんが喧嘩しそうになりました。
原因は、お義母さんが作った鍋の量。
当時、旦那さんはほとんど家にいなくて、私と義父母で食事をしていた日々。
3人で食べるには多すぎるほどの量で、食べても食べてもなくならない(笑)
お義父さんが「作りすぎや!!」と怒り、お義母さんが「少ないよりはいいでしょ!?」と反論。
(あぁぁぁ~やばい~~このままだと喧嘩がひどくなる・・・)
そこで私は言いました。
「私がいっぱい食べればいいんですね!!!」
まず、すでにはちきれそうだったお腹の中をリセットするために、トイレで全部吐きました。
席に戻って、ひたすら食べる。
「そうそう、ムタちゃんは細いんだから、いっぱい食べなきゃダメだよ」と、それでお義父さんとお義母さんの喧嘩は落ち着き、一件落着。
ただ、それから私の摂食障害が始まったのです。
・・・え?そんなことで??って、思いませんか?(笑)
私は正直、自分を振り返って、「なんでそこであんたががんばるのよ!なんで吐いてまで食べるのよ!」と、今なら言えますが、あの時はそれしかないと思ったんですよね。
元々やせ体型で、自分の中の理想の体重や体つきはありました。
155㎝で、体重は高校の頃からずっと変わらず40~41㎏をキープ。
42㎏までいったら「こりゃヤバイ」と、食べる量を減らしたり、運動したり、自分で体重をキープするようにしていました。
ところが、結婚してからはそれがうまくできず・・・。
ついに43㎏にまでなっていて、これ以上太りたくない!と思っていた矢先の出来事が、その鍋事件でした(笑)
それから摂食障害(過食嘔吐)が約5年間続きました。
解離性障害・不眠症・アルコール依存症にもなる
実は、摂食障害になる前からカウンセリングに通っていました。
原因は、解離性障害。
昔から喘息のようなひどい咳をすることがありました。
咳が出始めたら数ヵ月は止まらない。
病院に行って検査をしても、喘息かなぁ~?と、喘息用の薬をもらうものの、まったく効かない。
発作のようになると呼吸ができなくて、「このまま死ぬんじゃないか」と思うほどの息苦しさ。
そんなにひどい咳なのに、不思議なことに、放っておいたらいつの間にか治っているという・・・。
結婚して1年ほど経つ頃、再び咳が始まりました。
その時もひどい咳で、仕事もろくにできなくて、会社の人にも心配されて「病院行ってきなよ!」と帰されたり。
何件か病院をまわって、やっと出された答えが「この咳は心因性のものですね。心療内科に行ってください」でした。
なるほど。
身体には特に異常はないし、そりゃ薬も効かないわけだ。
心因性、つまりストレスってことなのか?
ということで、大学時代からの恩師である心理カウンセラーにカウンセリングしてもらうことになりました。(ムタは大学が人間学部心理学科でした)
カウンセリングに通い始めると、過去の自分と向き合うことになりました。
自分が子供の頃に経験した恐怖体験の一部の記憶がすっぽり抜けていることに気づき、不安と怖さにそわそわする毎日。
どんどん自分が今存在しているのか?という感覚が強くなって、自分のいるこの世界は全部作り物なんじゃないか、とすら思いました。
あの信号も、あの車も、あの人も、あの木も、あの空も、全部偽物で、そこにいる私もそのひとつ。
起きているのか夢を見ているのか、その区切りがわからなくなっていました。
毎晩毎晩サメに追われる怖い夢。
必死で逃げるのに、いつも食べられる。
そして、食べられたらリセットされて、最初からスタート。
ひたすらサメに追われていました(笑)
いろんな悪夢が続き、叫びながら起きたり、寝てもすぐ目が覚めてしまったり、寝付けなくなってしまったりで、その頃の平均睡眠時間は3時間ほどでした。
解離性障害から、先ほどお話した鍋事件をキッカケに摂食障害に代わりました。
毎晩お酒もたくさん飲むようになり、1日にビール3本、酎ハイ2~3本、赤ワインボトル半分は飲んでいました。
お酒を飲まない日なんてなくなり、毎日たくさん飲まなきゃ落ち着かないほどに。
いつのまにか、アルコール依存症にもなっていて、たまったワインボトルと空き缶をこっそり捨てるのが大変でした(笑)
摂食障害を克服したワケ
摂食障害になって1年ほど経った頃、最初の旦那さんと離婚しました。
心理カウンセリングだけでなく、精神科にも通うことになり、「仕事はしばらくやめましょう」ということで、実家に戻って療養生活に。
眠れずに、朝家族が起きる頃にようやく寝つき、起きるのは14時とか15時。
「今日は何を食べて吐こう?」
起きたら頭の中は食べることと、吐くことでいっぱい。
でも、本当は吐いちゃダメだってわかってるんです。
だから、最初は「今夜こそは吐かない!」」と決めて食事をスタートするものの、結局いつの間にか大量に食べていて、全部吐く。
それを数年間繰り返し、29歳、もうすぐ30代突入という頃。
「自分はいつまでこんな生活なんだろう?いい加減こんな自分嫌だ!」
そんなことを強く思うようになりました。
その時出会ったのが、2番目の旦那さん。
彼と出会って、一気に摂食障害が止まりました。
理由はいくつかあると思うんです。
- 好きな人に過食嘔吐を止められたから、嫌われたくないし言うことをきいた
- 自分のことを好きと言ってくれて、居場所をあたえてもらえたように感じた
- 怒りを爆発させて、それを受け入れてもらえた
主にこれが摂食障害を克服できた理由かな?と、今では思っています。
特に③の、”怒りを爆発させて、それを受け入れてもらえた”というのが大きなキッカケのような気がします。
というのも、それ以降、私の中でなにかがふっきれて、「あ。別にこんな感じでいいんだ」って思えることがたくさん出てきたんです。
ちなみに、怒りを爆発させた原因は、彼からの罵声でした(笑)
過去の私のダメなところをけちょんけちょんに言われ、過去の彼氏との付き合い方にも不信感を抱かれ、今の私を見てくれない。
「お前が悪い!」
彼に過去の私をそんな風に否定され続け、ついに私もプツンとなったんですね(笑)
「私は悪くない!!なんで私ばっかり悪いっていうの!?悪いのは私だけじゃない!!私は、悪くない!!!!」
って、彼がひくくらい泣き叫び、暴れました。
すると、それを見た彼がなだめてくれたんですよね。
「そうかそうか、お前は悪くないな」と、抱きしめて頭をポンポンしてくれていました。
それまでの私は、ずっと自分のことをダメな人間だと思っていて、自信もないし、こんな自分なんて・・・と、自分嫌いな人間でした。
でも、その怒りを爆発させた時にようやく気付いたんです。
本当は、自分のことが好きなんだ。
本当は、自分のことを悪いとかダメだなんて思いたくなかった。
でも、自分ではそう思うこともできず、自分で自分を認めるのが難しかったんですよね。
だから、人の目とか、他人の評価ばかりを意識して生きてきたんだと思います。
そんな私が、初めて自分を守ったというか、認めてあげた。
そんな瞬間だったのかな~と、今はそう感じています。
彼の罵声がキッカケというのも、なんともおかしな話ですが(笑)
カウンセラーの先生と違って、彼はなんでもはっきり言うし、否定もされました。
結果的に、荒療治のような感じで、私の摂食障害はおさまりました。
摂食障害を克服しておもうこと
カウンセラーは、私たちクライアントに寄り添ってはくれます。
でも、下手にアドバイスをしたり、なにか指示をしたりはできません。
それはカウンセラーとして、してはいけないことだからです。(責任問題になる可能性があるから)
だから、ただひたすらこちらの声を聞いてくれる。
それに寄り添ってくれる。
カウンセリングには、そんな心地よさと、安心感はたしかにありました。
でも、カウンセリングに通えば必ず治るかというと、そうじゃない。
病院に行って薬をもらって飲めば治るかというと、そうでもない。
最終的に治せるのは、やはり”自分自身”なんです。
自分が、自分自身のことをちゃんと見て、受け入れてあげる。
「それがあなただよね」って、言ってあげれたらもう大丈夫。
私は克服して3年。
今は普通の食事ができるようになり、「おいしい!」って思えることの幸せを実感できています。
「今日はなにを作ろうかな~?」
今では毎日、そんなことばかり考えています(笑)
あの頃の自分には考えられないことが、今の日常なんです。
あの頃は、先が見えなくて、いつか治るのだろうかと不安で仕方なかった。
生きるってなんなのか、わからない。
自分が生きていることになんの意味があるのか。
こんな人生早く終わりたい。
そう思っていたのに、今では生きることが楽しくて、自然と心から笑っています。
生きていなきゃ、こんな風になることもわからなかった。
辛かったけど、すごく苦しかったし、生きている心地もしなかったけど、生きていてよかったなぁ~と、今だから思います。
だから、現在摂食障害で苦しんでいる方や、そのサポートをしようとがんばっている方々に、少しでもなにか伝えられたら、寄り添うことができたら・・・
そんな想いから、このブログを立ち上げました。
私はカウンセラーでも医者でもなんでもないので、専門的な知識もありません。
あるのは、自分が経験して感じたこと、思ったこと、それだけです。
それをもとに私は言葉を発信するだけですが、もしもそれでだれかの役に立てれば、こんな嬉しいことはありません。
今苦しんでいるあなたへ、伝わるなにかがありますように・・・。
ムタ