過食嘔吐をしているとむくみやすいってご存知ですか?
実際に長年過食嘔吐で苦しんでいる方の中には、それを実感している方もいらっしゃると思います。
私も5年間の過食嘔吐中、むくみがすごかったです!
体重は減って痩せているのに、むくみのせいで鏡を見ると太く感じてしまう・・・。
そんな経験がありました。
なぜ過食嘔吐でむくみがひどくなるのでしょう?
今回はその理由をまとめてみました。
そして、”なぜ食べて吐いてしまうのか”、過食嘔吐が繰り返される原因について、医学的な面と、自分が体験して思ったことを照らし合わせて考えてみました。
過食嘔吐で苦しんでいる方の、”気づき”のキッカケになれば幸いです。
Contents
過食嘔吐でむくみがひどくなる理由
過食嘔吐でなぜむくみがひどくなるのか?
まず、むくむってどういうことか簡単にご説明します。
むくみ=細胞の間に溜まった余分な水分や老廃物
人間の体は、60%が水分でできています。
そのうち、細胞の中に3分の2、細胞の外に3分の1の割合で水分が配合されています。
これらの水分は、細胞や血管などを行き来して細胞に栄養を送ったり、老廃物を除去するなどの役割を果たしています。
基本的には水分の配合は変わらないのですが、いろんなことが原因となってその配合が崩れると、細胞と細胞の間に水分が溜まってしまいます。
それが、”むくみ”になるんですね。
そのいろんな原因として挙げられるのはこちら。
- 立ち仕事や長時間同じ姿勢でいる
- 女性特有のホルモンバランスによるむくみ
- 水分、塩分、アルコールのとりすぎ
- 水分不足、偏食
- 薬の副作用
たしかに、私も立ち仕事をしていた時はめちゃくちゃ脚がむくみました。
あと、たくさん飲んだ次の日とか、顔パンパン(笑)
過食嘔吐でむくむ原因は、主に③と④が当てはまります。
過食嘔吐は大量に食べるけれど吐いてしまうので、栄養がうまくとれていません。
そうすると、体内の水分調節に必要不可欠な栄養素も足りなくなってしまいます。
水分調節がうまくできず、配合が崩れて、余分な水分が溜まってしまってむくみとなる・・・。
また、吐くことで体の中の水分も足りなくなりますよね。
水分が不足すると、体は勝手に「乾いてしまう!溜め込まないと!」と反応してしまいます。
水分の排出を抑えるため、尿を出さないよう脳からホルモンが分泌され、その状態で水を飲むと体の中の水分量が増えてむくんでしまうのだそうです。
あと、過食する時ってラーメンとかポテトチップスとか、味の濃いものが欲しくなりません?
私はそういう濃いものばかり欲しくなったんですが、うまく吐けなかった時は体の中にも残ってしまいますよね。
結果、塩分のとりすぎにもなっていたのかな~と思います。
むくみ以外に現れる症状
過食嘔吐で体に現れる症状は、むくみだけではありません。
- 嘔吐による胃酸で唾液腺が腫れる
- 体のミネラルバランスが崩れ、腎臓や心臓へ負担がかかる
- 胸やけ、逆流性食道炎、胃炎など
- むし歯になったり、歯が溶ける
- 皮膚が乾燥する
- 疲れやすい
- 低血圧
- 生理不順、無月経
- 便秘
- 不眠
このように、様々な症状が現れることがあります。
私も、唾液腺が腫れて顔がパンパンになったし、慢性胃炎、疲れやすさ、低血圧(最高76mmHg、最低40mmHg)で体が常にだるかったです。
生理も気づいたら3ヵ月以上止まっていて、婦人科に行って薬をもらったりもしました。
不眠症だったので睡眠薬も処方され、精神安定剤を常に持っていないと不安でたまらない日々でした。
過食嘔吐は本当に、かなり体に負担がかかります。
なぜ食べて吐いちゃうの?
過食嘔吐のことをあまり知らない人には、”食べて吐く”という行為はかなり理解しがたいようです。
「なんでせっかく食べたのに吐くの?」
「つらいならそんなに食べなきゃいいじゃない」
「自分でやめられないの?」
と、私も言われたことがありますが、本人だって意味がわからないんです。
表面上は、”太りたくないから食べても吐く”というのが原因のように思われますが、摂食障害はもはやそんなことではないんです。
もっともっと根本的な原因があるんですよね。
それが本人にもわからなくて、言葉にすることのできない苦しみが、摂食障害となって現れているんだと思います。
神経性大食症・神経性過食症について
摂食障害には、神経性大食症または神経性過食症と言われるものがあります。
食事のコントロールができなくなり、通常の量よりもはるかに多くの量を食べる、これが過食症。
「むちゃ食い」と言われることもあります。
過食に加え、過食嘔吐・下剤・過度の運動・絶食など、代償行為を行う場合もあります。
摂食障害になる原因として、社会的要因・心理的要因・遺伝的要因・家庭環境などがよく挙げられますが、引き金となる原因は人によってさまざまです。
- 痩せてきれいになりたかった
- ダイエット目的
- イライラしてヤケ食いに走った
など、引き金は見た目に対するコンプレックスや理想があったから、という人も多いです。
でも、それはあくまで引き金でしかなく、本当はもっともっと深い原因があります。
過食嘔吐の原因を考えてみた
過食嘔吐をしていた私ですが、克服した今、わかったことがいくつかあります。
自分がなぜ摂食障害になったのか、なぜ過食嘔吐というつらい行為を行っていたか、原因について考えてみました。
※あくまで個人の体験により思ったことなので、医学的根拠などはありません。
- 不安とストレスだらけ
- 自分に対して罰をあたえるようなもの
- 過去に経験したつらかったこと
- 家庭環境の影響
不安とストレスだらけ
摂食障害になった頃、とにかく不安とストレスが多かったのを覚えています。
仕事でも、職場の人たちとうまくなじめていない状態で、会話するのが嫌で、ずーっとマスクをしていました。
別にいじめられたとか、嫌がらせをされたとかではないんです。
ただ、私が勝手にいろんなことをネガティブに捉えてしまっていたんですよね。
例えば、職場の人が違う人の悪口や愚痴を言っているのを毎日聞いていました。
その悪口の相手から電話がかかってきた時や、その人と実際に接している様子を見ると、裏表がすごくて怖いと感じてしまいました。
そして、「自分も裏ではなにか悪口を言われてるんじゃないか・・・」とビクビクし始め、余計に会話をするのができなくなっていきました。
今思えば、悪口や愚痴を言わないとストレスを発散できない人はたくさんいるし、嫌な人ともうまく付き合うために、みんな表面上は直接悪く言ったりはしないものですよね。
それはある意味大人の対応で、当たり前のことです。
あの頃の自分は、「白か黒」しかなかったのでそれが許せなかったんです。
「裏では悪く言ってるのに、表では仲良くして・・・偽善者だ」って、よく思っていました。
でもある時から、頭の中で声がするようになったんです。
いつものように職場の人が誰かの悪口を言っているのを聞いていた時・・・
また悪口言ってる。そういうこと言うあなたたちのほうがよっぽど性格悪いんじゃないか。
って心の中で思っているのに対して、
という声がするようになりました。
まるで自分の中にもう一人いるような?天使と悪魔が存在するような感覚で、なにを思っても否定されたり、反対に肯定したり、頭の中がすごくうるさい状態。
そんな自分にとてもイライラしました。
仕事に行くのも億劫になり、旦那さんに仕事を辞めてもいいか相談したら、「生活水準を下げなければ別にいいよ」と言われました。
当時の会社は待遇はよかったので、そこよりもいいところへ就職できる自信なんて私にはまったくなかったので、辞めるのは諦めました。
旦那さんは明るくて優しい人だったけど、ギャンブル好きで毎日パチンコ通い。
旦那さんがいないのに、彼の家族たちと一緒にいる自分が、「なんで自分はここにいるんだろう?私がここにいる意味は?」と思っていました。
何度かパチンコは控えてほしいと伝えたけれど、「おれのストレス発散はパチンコなんだ!おれがストレス溜まってもいいのか?」と言われてしまい、たしかにストレス溜まったらかわいそうだな・・・と、それ以来なにも言わなくなりました。
今なら、「そんなん知るか!他のストレス発散見つけろよ!こっちだってストレス溜まるわ!」って言いたい(笑)
あの頃の自分は、”自分自身”というのがあまりなく、人が望むような自分になろうとがんばっていました。
いい嫁になろうとしていました。
でも実際は、料理も下手だし家事が苦手で、「嫁らしいことなんてできていないんじゃないか」、「ダメ嫁だって思われていないだろうか」と、ずっと不安でした。
もちろん他にもたくさん不安やストレスの原因はありましたが、それが溜まりにたまって、キャパオーバーになったんだと思います。
自分に対して罰をあたえるようなもの
過食嘔吐をしている時、2つの感覚がありました。
1つは、「溜まりにたまったものを吐き出す」という感覚。
先ほど、”不安やストレスが溜まりにたまってキャパオーバーになった”とお話しましたが、不安やストレスを吐き出したかったのかもしれません。
元々私のストレス発散は1人カラオケで、1人で6,7時間歌いっぱなしとか、よくしていました。
結婚してからはそういう機会も減ったので、余計にストレスが溜まったのかもしれません。
じゃぁどうやって発散する?
不安やストレスをうまく言葉にできず、誰かに話すのも難しかった。
衝動的になにかを破壊したくなって、部屋を散々荒らしたことも何度もありますが、片づけている自分が虚しかった。
過食嘔吐をすると、食べ物と一緒に不安やストレスも吐き出せたような爽快感がありました。
食べたくない、溜めたくないのに、自分で食べて食べて食べまくって、吐いてスッキリする。
過食嘔吐はつらいけれど、一時的な快感が得られるので、治りにくいと言われているのもわかります。
もう1つの感覚としては、自分で自分を罰しているような感覚。
過食嘔吐は自傷行為をしているのと同じだと思っています。
リストカットや皮膚や髪をむしる行為など、体を傷つけるのと同じ。
こんな自分大嫌い。
こんなやつ痛い思いすればいい。
消えたい。
という、自分に対する嫌悪感や怒りをぶつけている感じでした。
過食嘔吐をしていてもやっぱり、
つらい。つらい。もう嫌だ。なんでこんなつらい思いしなきゃいけないの。誰か助けて。
って思っているのに、
そんな声がずっとしていました。
まるで、自分で自分を罰しているようでした。
過去に経験したつらかったこと
摂食障害になる人の背景として、よくこんなことが挙げられます。
- 子どもの頃の母親からの愛情不足
- 身体的虐待、精神的虐待、性的虐待などがあった
- 自我・自己を否定された
もちろん、摂食障害で苦しんでいる方全員がこういった背景があったとは限りません。
ただ、このような経験があった人のほうが発症しやすいと言われているようです。
私の場合、母親とは仲が良く、喧嘩もほとんどしたことはありません。
愛情いっぱいに育ててもらった記憶しかありませんでした。
でも、摂食障害になり母と一緒に精神科でカウンセリングを受けることになって、私が覚えていない子どもの頃のことを母から聞きました。
それは、私が3歳くらいの頃、弟が生まれ、同時に家庭内で複雑な問題があったためか、私が自家中毒になったという話です。
自家中毒症(ケトン血性嘔吐症)とは、風邪や疲労、過度のストレスがかかって顔色が悪くなり、頭痛や腹痛、嘔吐を訴える状態。
私が腹痛や嘔吐を繰り返したため、病院に連れて行ったらそう診断されたそうです。
お医者さんからは「もっと子どものことをちゃんとみてあげてください」と言われ、母は泣いてしまったそうです。
それから、私だけがかわいがってもらえるよう、週末は実家の祖母の家に預けるようにしたのだとか・・・。
私にはその頃の記憶はありませんが、その話を聞いた途端、心の奥にいる小さな私が大泣きしているのがフッとよぎり、私自身大泣きしてしまいました(笑)
きっと、本当は寂しかった。
でも、それを言葉では伝えられない。
泣いても、ママが困るだけ。
だから、自分は我慢しなきゃいけない。
お姉ちゃんだから。
そんな感じだったのかな~と思います。
また、虐待というほどのことはありませんでしたが、身内から性的イタズラを繰り返され、小学校高学年の時に襲われかかったことがあります。
他にも、幼稚園の時に知らないおじさんが車で近づいてきて、声をかけられました。
「こっちにおいで」
車に近づくと車内が見えて、おじさんは下半身を出して私に見せてきました。
「ソフトクリーム食べに行こうか」「手をみせてごらん」
と言われ、アホな私は素直に手を差し出してしまいました。
おじさんが私の手をベタベタ触りまくって、その後車のドアが・・・
・・・私の記憶はそこで途切れています。
どうなったのかわかりませんが、次に覚えているシーンは、私の帰りが遅くて心配になって迎えに来たという母親の車に乗っている自分。
「あの車、なんだったの?」と母に聞かれ、
「道を聞かれただけ」と嘘をついたこと。
私は嘘つきだ。
その記憶だけが強く残っていて、実際に自分がどうなったのかは、いくら思い出そうとしても頭が痛くなるだけで思い出せません。
でもなんとなく、そのことが大きなネックになっているような気がしています。
家庭環境の影響
うちの家庭環境が複雑で、私の弟が生まれたあと、おばあちゃんが出産しました。
私の4つ年下のおばさんが誕生したわけです。
その子とは今では姉妹や友達のような感覚で仲良くやっていますが、昔はおばあちゃんからよく比較され、
「あの子はあんたみたいにはさせたくない!あの子とあんたは違うんだ!」
と言われていました。
私はそんなに悪い子?そんなにダメな子?
おばあちゃんから自分を否定され、すごく悲しんだ記憶があります。
自分自身の存在が、悪影響になるんだ・・・と思っていました。
今でこそ少しは自分に自信が持てるようになり、おばあちゃんのことははっきり言って大嫌いだと言えるようになりましたが、子どものころの私は確実に傷ついていましたね。
自分を否定され、自信がなくなった子どもは、自己肯定感がどんどん低くなり、自分で自分を認めることが難しくなります。
他にも、入れ替わりやってくるおじ夫婦とその子どもたちとの生活。
離婚して、また違うおじ夫婦がきて子どもができ、また離婚して出ていき・・・・。
私の父親もいつのまにか帰ってこなくなったし、母も一時的に出て行ったり。
家庭内はいろいろ複雑でした。
そして、安心して生きることができなくなり、いつも不安。
まわりからの評価でしか自分を認められず、その評価も完璧でなければダメ。
自分自身というのがよくわからなくて、まわりが求める自分自身になろうとがんばったり。
めちゃくちゃストイックになるんですよね(笑)
家庭環境の影響は、わりと大きいと思います。
自分がそこで育ち、構築されていく場所なので。
たとえ安心できない場所だったとしても、その中で生き延びなければいけない。
しんどいとか、つらいとか、悲しいとか、苦しいとか、そんなことも言えず、自分を誤魔化して生きていく。
でも、本当はそれを誰かにわかってほしい。気づいてほしい。
過食嘔吐を含む摂食障害は、そんな心のSOSが現れているのではないでしょうか。
まとめ
過食嘔吐でむくみがひどくなるのは、栄養不足や水分不足が原因で、細胞の中の水分や、細胞の外の水分バランスが崩れてしまうからです。
過食嘔吐をしていると、栄養はうまくとれていませんし、水分も出てしまっています。
せめて水分補給はしっかりとりましょう。
過食嘔吐の原因は、私の場合は先ほどお話したようなことが関係していると思います。
もちろん人によって原因は様々なので、一概には言えませんが、
「自分でもなぜ過食嘔吐をしてしまうのかわからない」
「あの人が過食嘔吐で苦しんでいるのはなぜだろう?」
と疑問に思っている方にとって、なにかの”気づき”のキッカケとして参考になれば幸いです。