食べることは、生きること
摂食障害

摂食障害を克服したわたし|体重増加への恐怖心が消えたワケ

 

摂食障害で苦しんでいる人のほとんどが、”体重増加”への恐怖心でいっぱいです。

 

拒食症の人は、「体重を増やしたくないから、食べ物を口にしたくない」

過食症の人は、「体重は増やしたくないのに、食べることをやめられない」

過食嘔吐の人は、「体重を増やしたくないから、食べたらその分吐き出す」

 

私もそうでしたが、頭の中は大抵、”食べ物”と”体重”のことばかりの人が多いのではないでしょうか。

これって、本当にしんどいです。

毎日毎日、食べることと体重増加への恐怖心で支配されている状態。

考えたくない、もうやめたい、抜け出したいって思っているのに、それができなくて余計に自己嫌悪。

悪循環でしかない状態で、抜け出せる時は来るのだろうか・・・と、途方に暮れたくなりますよね。

 

そんな状態だった私も、今ではすっかり変わりました。

体重増加への恐怖心もかなり和らいで、過食嘔吐もなくなりました。

1日1食、それも過食嘔吐で全部吐いていた私が、今では1日3食ばっちり食べています。

 

それでも、体重へのこだわりは昔に比べて全然なくなり、「ありゃ?ちょっと太ってきたかも~~やばいな~~」くらい。

自分でも不思議だなぁと思ったので、摂食障害を克服した今改めて、なにをそんなに体重が増えることにビビっていたのか、考えてみました。

 

そして、あなたはなぜそんなに体重にこだわるの?と、問いかけてみます。

体重が増えることへの恐怖にとらわれている方が、少しでも楽な気持ちになっていただけたら幸いです。

体重増加への恐怖心

摂食障害は、「太りたくない」という意識から、ダイエットなどをきっかけに発症する場合が多いと言われています。

拒食症・過食症・過食嘔吐、全てにおいて共通していえることは、”食の異常行動”です。

食べることを拒み、食べたくないのに食べることをやめられず、吐いたり下剤を使ってまで出そうとする。

 

一体なぜ?

多くの人はこう答えます。

 

「体重が増えるのが嫌だから」

 

これは私もそうでしたが、体重が増えるのが嫌というかもう、怖いという感覚にさえなりました。

数百グラム増えただけで「やばい!減らさなきゃ!」と、執拗に体重にこだわる。

 

今思えば、たった数百グラムくらいなにもせずとも次の日には落ちていたり、反対に増えていたり、日頃から勝手にその程度の体重の変化はあるものです。

 

なのに、毎日毎日体重を測り、増えた減ったで感情の起伏が激しくなる。

まさに「体重にとらわれている」という言葉がピッタリの状態でした。

そんな自分が異常だとも思ったし、それでも体重が増えることは怖いし・・・。

摂食障害に陥っている人の多くが、このような恐怖心にかられていると思います。

なぜそんなに体重を気にするのか?

そこで、「なぜそんなに体重にこだわっていたのだろう?」と、改めて考えてみました。

その結果見えてきたのは、私の場合はこの2つでした。

  1. 自分の中のルール
  2. 他者からの評価

①自分の中のルール

私は、子どもの頃はクラシックバレエもしていて、太りにくい体質で食も細かったです。

高校時代からはずっと体重は40~41㎏をキープしていました。

ダイエットというほどのダイエットはしたこともなく、多少体重が増えたら食事を減らすなどして、自分でコントロールして保っていました。

 

ところが、結婚してからはそのコントロールができなくなったのです。

もともとやせ体型なので、まわりからは「もっと食べなさい」と言われ、お義母さんの作ったご飯は残せない・・・。

「私、ご飯は少しでいいですよ~」と言っても、「ダメダメ~もっと食べなきゃ~」と、相手にとったら悪気はないのだろうけれど、こちらからしたら断われないもどかしさ。

 

今までだったら自分で調整できていた体重が、どんどんどんどん増えていく。

ついに43㎏にまで達した頃、「これが私!?」と恐ろしく感じた記憶があります。

まぁ、はたからすると43㎏でも十分細いやん!!と言われるのは承知しています(笑)

 

でも、私の中ではこれが基準なんです。

自分で作り出したルールというか、それが私。

なのに、その私がどんどん崩れていく。

コントロールできない。

 

ついには過食嘔吐で体重増加を食い止めるという手段に出ましたが、結局は「吐きたくないのに吐かなきゃいけない」と、これまた自分で自分をコントロールできない状態になりました。

 

今思えば、”体重”というのは”私”を数値化したもので、”自分でコントロールできるもの”だったのにそのコントロールができなくなった。

そこに対する恐怖が大きかったように思えます。

私が私でなくなる。そんな怖さを感じていました。

②他者からの評価

なぜ私が”43㎏”というはたから見たら十分細くて軽い体重なのに、そこを限度にしたのか?

それはやはり、他者からの評価を気にしていたからです。

小さい頃からバレエもしていて、「細いね~」って言われるのが当たり前でした。

 

ある時、「あれ?ちょっと太った?」と言われた体重が42㎏くらい。

自分ではそんなに変わったつもりはなかったのに、人から見ると太ってみえるのか!

そう思って、42㎏を超えてはいけない・・・私が43㎏とか、ありえない!というルールができあがったんですね。

 

みんなから「細いね」って言われていたい。

私は細くなきゃダメなんだ。

だから、私が太ったらみんなにガッカリされる・・・!

 

そういう意識が常にありました。

誰もそんなこと期待していないのに(笑)

期待もしてなけりゃ、人って思っている以上に人のことがどうでもよくて、他人の体重なんてそこまで気にしていないんです。

「太ったね」とか「もっと食べなよ」とか言うのも、その人たちからするとコミュニケーションの一環だったり、本当に何気ない一言なんですよね。

「太ったね」

(もっと痩せなきゃ!)

「もっと食べなよ」

(食べなきゃ!でも太りたくない・・・)

他人が発する言葉で、勝手に「〇〇しなきゃ」という状況に追いやったのは、はっきり言って自分自身なんです。

私は自分でそう感じました。

 

私はこうじゃなきゃ!こうしなきゃ!

体型のことだけでなく、いろんなことに関して、他者からの期待に応えようと必死になっていました。

他者が求める自分になることで安心し、誰かに必要とされなければ自分なんてなんの価値もない、そう思っていました。

 

今では、それは違うよって言えます。

まわりの目なんて気にしなくていいし、それに応えようとがんばらなくたっていい。

そう思えるようになりましたが、過食嘔吐をしているうちはとてもじゃないけどそんなふうには思えませんでした。

だから、他者からの評価ばかり意識して、いろんなことに全力でがんばりすぎたんですね(笑)

摂食障害を克服した私の現在の体重は?

過食嘔吐が始まったのが26歳。

43㎏から一時は38㎏まで落ちました。

摂食障害を克服して、34歳になろうとしている私の現在の体重は43㎏です!

特に今、44㎏に近いくらいで過去最高に体重増加中(笑)

 

太った要因として考えられるのは・・・

  • 毎晩晩酌(ビールは糖質オフで炭水化物はなるべくとらない)
  • 食べる量が増えた
  • ピルを飲みだした

ピルは正直関係あるのかはわかりませんが、飲みだしてから一気に体重が増えてきた気がしています。(※個人差はありますし、そのせいかはわかりません)

去年1年間は禁酒をしていたけど、解禁して毎晩晩酌をするようになったのが一番の原因かと・・・(笑)

 

ただ、食べるものには気をつけています。

太る原因はとにかく”糖質”。

なのでカロリーよりも糖質を意識して、炭水化物は夜はなるべく控えています。

あと、過食嘔吐をしていた頃は1日1食だったのが、今では1日3食食べているので、食べている量は確実に増えています。

特に運動もダイエットもしていません。

でも、そのわりには過食嘔吐を始めた頃からほとんど変わっていないんだな~と。

 

あの頃には許せなかった43㎏を、今の私は「まぁ、いっか!」と受け入れています。

まとめ

摂食障害を克服した今、特に思うことは”体重よりも体型の方を重視したほうがいい”ということ。

体重なんてね、人に言わなければバレないんです(笑)

それに、体重が軽ければいい、ただ細ければいいという時代ではなくなっています。

 

今は、いかにきれいな体作りができるか、というのがモデルさんや女優さんたちにも見られますよね。

食べる時はちゃんと食べて、それを活かして体を作り上げる。

そうしてできたボディラインのきれいなこと!

それに、ぽっちゃりしている方が女性らしくて魅力的という人も多いですし、別にまわりの人の望む体型になろうとなんかしなくていいです。

 

あなたがあなたらしく、ストレスなくいられる状態であれば、それでいいと思います。

改めて、問います。

あなたは、なぜそんなに体重にこだわるの?

 

早く、解放される時が来ますように・・・。